看護師がサポートする食中毒の治療


食中毒には、細菌性の食中毒とウイルス性の食中毒がある。細菌性の食中毒には、細菌が増殖した食品を摂取することにより起こる感染型の食中毒と、細菌が産生した毒素を摂取することにより起こる毒素型がある。

食中毒が疑われる患者が受診した場合は、看護師の問診の際に症状が発生する前に食べた食品を特定することで原因菌が判明することがあるが、ウイルス性の食中毒の場合、ウイルスが付着した食品を食べた時だけでなく、他の感染者が触れたものから感染することもある。そのため、近親者や学校、施設などで同様の症状の人がいないか看護師が確認しておくと、診療がスムーズだ。

基本的に食中毒の場合の内科的治療は対症療法となり、嘔吐や下痢が続いている場合は電解質の点滴静注を行うことになる。脱水状態が軽度の場合、経口摂取で水分や経口補水液を補給することも可能だ。止痢薬は細菌やウイルスを内々に留めてしまう恐れがあるため、対症療法としては使用されない。
また、大腸菌、コレラ菌、赤痢菌などについては抗菌薬が投与されるが、ノロウイルスやロタウイルスについては抗ウイルス薬の投与が行われることはない。

その他、病院内での二次感染を予防するため、看護師の手指の消毒だけでなく、トイレや病室などのドアノブ、手すりなど、手で触れる可能性がある各種設備の消毒・清掃も徹底しておく必要がある。
特定の飲食店や学校、介護施設などで食中毒が発生した可能性がある場合は、保健所への報告も必要だ。

※食中毒ケアの詳細や携わり方をもっと知る>>http://what-foodpoisoning.com